北朝鮮拉致

対話発言…横田早紀江さん「一歩前進」 被害者家族は慎重

 北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が南北首脳会談で「いつでも日本と対話を行う用意がある」と述べていたことが29日、明らかになった。専門家は日本の経済支援を見込む北朝鮮の思惑を指摘する。これを機に拉致問題は解決に向けて動き出すのか。拉致被害者の家族は、北朝鮮の対話姿勢について問題進展の兆しと期待を示しつつも、「被害者が帰国しなければ成果ではない」と慎重な姿勢で先を見据えた。

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この機会を逃すな

 「救う会」の西岡力会長は、北朝鮮が6月までに開催予定の米朝首脳会談を含めた外交交渉の先に日本の経済支援を期待し、対話を呼びかけた可能性を指摘する。その上で「全被害者の即時一括帰国に応じない限り対話に応じてはならない。米朝会談で北朝鮮が拉致解決に踏み込むかは、北朝鮮が追い込まれているレベルに左右される。拉致をはじめ、核・ミサイル問題で真摯(しんし)に対応するまで厳格な経済制裁を継続すべきだ」と述べた。

 北朝鮮報道を続けるアジアプレス大阪事務所の石丸次郎代表は「北朝鮮は核放棄を外交カードにして、経済実利を得る方向にかじを切った可能性が高い」と推測。「米朝交渉で核、短中距離弾道ミサイルの廃棄で合意できれば、日朝間の懸案は拉致問題に絞られる。日本政府はこの機会を逃さず交渉準備を始めるべきだ」と語った。

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