関西プチ遺産

事故発生で運休続く「吉野山ロープウェイ」は国内最古の機械遺産

国内最古の機械遺産になっている「吉野山ロープウェイ」=奈良県吉野町
国内最古の機械遺産になっている「吉野山ロープウェイ」=奈良県吉野町

 吉野山を目指す人々を運ぶ「吉野山ロープウェイ」。空中に渡したロープにつり下げられたゴンドラに人が乗るロープウエーなのに、運営する会社の名称は「吉野大峰ケーブル自動車」で、ロープウエーの正式名称は「吉野山旅客索道」。

 昭和3(1928)年、吉野鉄道(現・近鉄)が吉野駅まで開通した。翌4年に地元の事業者によってロープウエーが開業した。

 吉野駅を降りて少し歩くと、ロープウエーが待っていて、高低差103メートルをわずか3分でのぼってくれる。

 国内最古のロープウエーで、観光客だけでなく地元住民の交通手段として現役で操業を続けていることから、平成24(2012)年度、機械技術の発展に貢献した物件を顕彰する機械遺産に認定された。

 昭和4年から90年近く活躍していたロープウエーだが、昨年4月28日にゴンドラが駅施設と接触する事故が起こり、その後運休が続いている。

 お花見、紅葉、お山が人を呼ぶ時期には、山道は下から上まで車の大渋滞。しかも、車で行ったらアルコールはご法度。車ではお山をめでながらの楽しみも半減される。電車に乗り、ロープウエーに身を任せれば、アルコールもOK。古くからの機械設備なので修理も難しいのだろうが、今年の紅葉までには吉野山ロープウェイよみがえれ、と願うばかりである。(伊藤純)

 近鉄吉野線吉野駅下車。

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