大阪ブルース!

スタジオミュージシャンリストラを加速させた「打ち込み」 最後の砦がギターだったが…

 しかし、これほど技術が発達してもなお「打ち込み」で再現しきれなかったのがギターの音色だった。左手の押さえ方や右手の弦のはじき方、弦をはじくときのピックの材質や厚み、角度によって、同じ楽器と機材を使っていても弾き手によって音色が変わる。おまけに左手で弦を押し上げるようにして音程を変えたり、弦を叩いたり引っ張ったり、弦の張りをゆるめたり強めたりして音程を変えるなど、とにかくギターという楽器はいろいろな音色を出せる楽器なので、「打ち込み」は大変難しかった。

 だから、そんなに難しければ使わなければ良いのであった。

(柿木央久)

 かきのき・てるひさ 昭和42年大阪生まれ。音楽批評家。ボサ・ノヴァとロックが主なフィールドだったが、有山じゅんじやザ・たこさんとの交友をきっかけに関西のブルース・ソウルが主なフィールドに。著書・共著「決定盤 ボサ・ノヴァCD100選」「200ロック語事典」「大阪がもし日本から独立したら」ほか。