赤の広場で

ロシアのインターネット規制が本格化へ 悪政に耐性あるロシア人の怒りの声も表面化するのでは?

 ロシアのインターネット統制がいよいよ本格化するな、と感じている。

 海外駐在では必需品となったアマゾンの電子書籍をダウンロードできない。グーグルのネット検索や地図サービスも使えない。今週に入り、こうした不具合に悩まされた。自分の機器やネット回線に原因があるのかと悪戦苦闘したが、露通信監督庁がアマゾンやグーグルのIPアドレス(ネット上の住所)を使えなくしているのだと分かった。

 発端は、同庁が今月、スマートフォンなどで使う大手通信アプリ「テレグラム」を使用禁止にしたことだ。利用者の通信内容を解読するための技術情報を、テレグラム社が、新法に従って治安当局に提供しなかったことが理由とされた。

 テレグラムの封鎖だけなら被害はまだ限定的だっただろう。だが、同社がアマゾンやグーグルの提供するIPアドレスを使う仕組みだったため、当局は関係するアドレスを十把一からげに遮断する措置に出た。

 ロシアではすでに通信アプリのLINE(ライン)などが封鎖され、次の標的はフェイスブックだとされる。今年は、利用者の会話・通信内容を長期保存するよう通信事業者に義務づける新法も発効する。悪政への耐性が強いロシア人だが、怒りの声もそろそろ表面化してくるかもしれない。(遠藤良介)

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