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財務省が厚生年金の支給開始年齢を引き上げるべきだとする主張を展開し、波紋が広がっている。現在は65歳へ段階的に上げているところだが、さらに68歳まで延ばす案を提示。高齢化で社会保障費が増える中、年金制度の持続可能性を確保する狙いだが、インターネットユーザーらは「勘弁してほしい」「絶望しか感じない」と猛反発。財務省は目下、学校法人「森友学園」への国有地売却をめぐる決裁文書改竄(かいざん)や、福田淳一事務次官(4月24日に辞任)のセクハラ疑惑に揺れているが、「年金問題」が新たな火種となる可能性も出てきた。
ことの発端は、4月11日に開かれた財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の財政制度分科会。この日のテーマは社会保障制度改革で、財務省の担当者は、65歳に引き上げつつある支給開始年齢について「さらに引き上げていくべきではないか」と提言した。
財務省の主張はこうだ。今後「人生100年時代」がやってくる中、年金財政が悪化することにより、将来世代の給付水準が低下。平成47(2035)年以降に団塊ジュニア世代が65歳になることなどを踏まえると、早期の支給開始年齢引き上げが望ましいというのだ。
その上で、欧米の主要国が67、68歳としている現状を踏まえ、日本でも68歳へ引き上げる案を提示。平均寿命は伸びているため、高齢就労が促進され、納付保険料が増えて受給水準が上昇すると強調した。ただ、どのくらい上昇するかには触れなかった。