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日本の南極観測に欠かせない海上自衛隊の砕氷艦「しらせ」が今月11日、151日間の任務を無事に終えて帰国した。今回は例年よりも氷が薄かったといい、日本国内では南極を舞台としたアニメが人気を博した。4回目の南極行きを終えた艦長の宮崎好司1佐に航海を振り返ってもらった。(科学部 小野晋史)
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--お疲れさまでした
「ほっとしている。観測隊を運び、越冬の補給物資も送り届けた。しらせの乗組員も元気に帰ってきた。船や航空機を含め、無事故で任務を完遂できたことは大きい」
--南極はどうだったか
「今回は昭和基地周辺の氷が薄く、天候や現場海域を見極めながら順調にたどり着いた。でも着いてからが大変で、氷が薄いと重量物を雪上車で輸送するのは危ない。海水温は0度以下なので(氷が割れて)人が沈んだら大変だ」
--氷が薄かったとは
「安全に作業するには2メートル以上の厚さが欲しい。それが今回は1メートルを切る所も多かった。そのため、厚い氷がある基地から500メートルほどの所に船を持っていった。(氷が少なかった)15年前に並ぶ近さだ」
--地球温暖化の影響か
「15年前は氷が全くないほどだったが、4年ほど前はものすごく厚かった。温暖化とは直結せず、短期的な現象だと観測隊も言っていた」
--分厚い氷に船首で体当たりして、割りながら進む「ラミング」はどうだったか
「氷が薄かったので行きに27回、帰りに1回だった。さすがに1回は少ない。ちなみに15年前は0回だったが、それに次ぐ少なさだ」