関西の議論

カー娘もぐもぐイチゴでも注目 韓国や中国での農産物「盗作」からブランドどう守る

海外への流出

 農産物で人気のある品種は、違法業者による海外への無断持ち出しや、現地での勝手な栽培・流通も懸念されている。

 平昌五輪でカーリング女子日本代表の選手が食べて注目された韓国のイチゴについて、斎藤健農林水産相が「以前に日本から流出した品種をもとに、韓国で交配されたものが主だ」と指摘したことで、問題への関心は高まっている。

 イチゴに限らず、高級ブドウの「シャインマスカット」は中国での無断増殖が確認されている。苗などが持ち込まれたとみられるが、流出経緯は明らかになっていない。

 農水省は、海外での品種登録の出願にかかる費用を補助する事業を28年度から実施。3月8日に京都市内で開かれた出願説明会・相談会には和歌山県の関係者も出席した。

県関係者も懸念

 和歌山県によると、県内で育成された品種が海外で無断栽培された事例は今のところ確認されていない。それでも担当者は「青果物を海外に売り込もうと取り組んでいるのに、ようやく輸出できたら向こうで無断で作られていた、ということだけは防がないといけない」と危惧する。

 JAありだの上田部長も「海外市場では、ブランドの価値を高めながら守っていくということが国内よりもはるかに難しい。さまざまな団体や機関と一緒になって取り組んでいきたい」と話す。

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