受動喫煙対策を盛り込んだ健康増進法改正案成立のめどが立たない国会を尻目に、東京都は20日、国の方針より厳しい独自の対策を打ち出した。小池百合子知事は「ラグビーW杯や東京五輪が迫っている」として、国会に左右されず条例制定を目指す構え。昨秋の衆院選以降、求心力低下が指摘される中、国との違いをアピールしたい小池氏の思惑が透けて見える。
都は厚生労働省の当初案同様、面積30平方メートル以下を除く飲食店を原則禁煙とする方向で調整。しかし、厚労省が自民党の反対で提出をあきらめ、客席面積100平方メートル以下の飲食店で喫煙を認めるなど例外が多い内容を政府が3月に閣議決定した。
後退する国の動きに都もトーンダウン。「国との整合を図る」として、予定していた今年2~3月の都議会定例会への条例案提出を見送った。しかし、小池氏はギリギリまで提出にこだわり、「独自規制ができないか担当部局に迫っていた」(小池氏周辺)という。