女性の読者は眉をひそめるだろうが…。作家の吉行淳之介さんが酒場で、なじみのホステスのお尻にタッチした。「私のお尻をなでたのは誰?」と声を上げたが、抗議の口調ではなく、「あんなに上手に触るのはどんな人かと思って」。夜の遊びには修行が必要で、「腿、膝3年、尻8年」と言っていた。
▶もちろん現代では通用するまい。財務省の福田淳一事務次官は、セクハラ発言を「言葉遊び」と強弁した。「批判を受けて、なるほど今の時代はそうなのかと」。まだおわかりでないようだ。それにしても、新潟県の米山隆一知事といい、どちらも東大卒なのは偶然だろうか。
▶評論家の立花隆さんは客員教授として東大で講義した時に、「教養って何ですか」「どうすれば身につくのですか」と質問され、「東大生はバカになったか」(文芸春秋)を書いた。教養どころか一般常識さえ学んでいない。2人の情けない辞任・辞職は、最高学府の危機もさらけ出した。