浪速風

「言葉遊び」の強弁。東大は常識を教えないのか

東京大学で卒業式が行われ、会場となった安田講堂前の広場には晴れ着に身を包んだ卒業生が集まり、家族や友人とともに記念写真を撮る姿が見られた=3月23日午前、東京都文京区(福島範和撮影)
東京大学で卒業式が行われ、会場となった安田講堂前の広場には晴れ着に身を包んだ卒業生が集まり、家族や友人とともに記念写真を撮る姿が見られた=3月23日午前、東京都文京区(福島範和撮影)

女性の読者は眉をひそめるだろうが…。作家の吉行淳之介さんが酒場で、なじみのホステスのお尻にタッチした。「私のお尻をなでたのは誰?」と声を上げたが、抗議の口調ではなく、「あんなに上手に触るのはどんな人かと思って」。夜の遊びには修行が必要で、「腿、膝3年、尻8年」と言っていた。

▶もちろん現代では通用するまい。財務省の福田淳一事務次官は、セクハラ発言を「言葉遊び」と強弁した。「批判を受けて、なるほど今の時代はそうなのかと」。まだおわかりでないようだ。それにしても、新潟県の米山隆一知事といい、どちらも東大卒なのは偶然だろうか。

▶評論家の立花隆さんは客員教授として東大で講義した時に、「教養って何ですか」「どうすれば身につくのですか」と質問され、「東大生はバカになったか」(文芸春秋)を書いた。教養どころか一般常識さえ学んでいない。2人の情けない辞任・辞職は、最高学府の危機もさらけ出した。

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