激動・朝鮮半島

「一発決着狙う」「本気度確認」 ポンペオCIA長官訪朝を専門家はどうみる?

 金正恩朝鮮労働党委員長は3月下旬に電撃訪中、習近平国家主席と会談した。ロシア訪問の可能性も取り沙汰されている。冷戦時代のように、中露北と日米韓が向き合う形になってきている。懸念は韓国の文在寅政権が北寄りであり、中国になびきかねない状態だ。中露北韓対日米という構図にならないようにすることが重要だ。

 拉致問題については、仮に北がリビア方式を受け入れれば、何らかの進展が期待されるのではないか。カダフィ政権のように全てをさらして非核化するという決断を金正恩氏がするかどうか、そこにかかっている。(聞き手 岡田美月)

 ■南山大の平岩俊司教授「『本気度』確認が最大の目的」

 ポンペオ氏の訪朝は、米朝首脳会談に向けた実務者協議が一定水準まで進展したことを示唆している。最大の目的は、中韓から間接的に報告を受けている内容を含め、非核化に向けた北朝鮮の「本気度」を確認する点にあっただろう。

 北朝鮮問題をめぐる最近の動きでは、各国の情報機関同士の交渉が目立つ。米国も拙速な交渉に慎重だったティラーソン前国務長官らではなくCIAが主導しており、ポンペオ氏訪朝につながったのだろう。オバマ前政権でも国家情報長官のクラッパー氏が訪朝した例があり、米朝間には想像以上に多様なチャンネルが存在することが分かる。

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