国務長官就任を控え、北朝鮮を極秘訪問した対北交渉のキーマン、ポンペオ米中央情報局(CIA)長官と金正恩朝鮮労働党委員長の会談は、米朝首脳会談に向けた協議にどう影響するのか。両国関係に詳しい専門家に聞いた。
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■白鴎大の高畑昭男教授「北の非核化で一発決着狙う」
ポンペオ氏の極秘訪朝は、CIA長官として情報を握っている立場とはいえ、プロトコル(外交儀礼)の点からみると、何を考えているか分からない。信頼できる部下を出すなら分かるが、自らが行くというのは異例だ。
トランプ米政権は5月または6月に予定される米朝首脳会談で、北朝鮮の核・ミサイル問題を一発で決着させたいと考えているだろう。時間を長く引き延ばしたくないはずだ。また、 米側は2003年、圧力によってリビアの最高指導者、カダフィ大佐に核兵器を含む大量破壊兵器を放棄させた成功例を念頭に、核廃棄のリビア方式を北朝鮮の非核化にも採用できるか見定めたいのだろう。
逆に北朝鮮は「段階的で同時並行的な措置」と主張し、交渉にできるだけ時間をかける狙いだ。