13年ぶり来日中のスピルバーグ監督、学生らに映画愛を伝授 東京・六本木のイベント

 --宮崎監督と会って、どんな話を?

 「映画作りのプロセスが話題となった。具体的には、キャラクターが先か、ストーリーが先かというものだった。宮崎監督にとっては、ストーリーそのものがキャラクターだと。だからキャラクターを見つけることがとても大切だと。キャラクターがストーリーをつくる助けをしてくれる、と言っていた」

 --映画監督を目指したきっかけは?

 スピルバーグ監督「子供のときは、コントロールできない。大人の言うとおりになる。12歳のとき、父の8ミリカメラを手に取った私は、カメラを通せば、(現実世界を)コントロールできると思った。現実世界ではうまくいかないことを、カメラを使えば容易にできてしまうことを理解した。つまり、映画というスタイルをとれば、現実にできないことができてしまう。例えば、8ミリで撮影した電車のおもちゃの衝突場面。一度、カメラに映像を収めれば、何度も壁に上映して、電車をそこに衝突させられるわけです」

 --本作に登場した仮想現実の世界「オアシス」があったら何をしたいか?

 スピルバーグ監督「オアシスは、いつかできると思う。誰かが、必ず設計する。そういう世界ができたら、自分のお気に入りの映画の中に入っていきたい。だけども、私は役者ではないので、キャラクターとして入るのではなく、家具や花瓶などになり、映画を違うアングルから見てみたい」

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