漫画や書籍をインターネット上で無断公開する「海賊版サイト」について、悪質なサイトはプロバイダー(接続業者)が利用者のネット接続を遮断するのが適当とする見解を示した緊急対策を政府が決めたことを受け、講談社は13日、「『漫画村』などは氷山の一角にすぎない」などとする声明を発表した。
声明は、海賊版サイトを「著作者の不断の努力やその才能を踏みにじるもの」と非難。出版界全体で漫画だけでも数兆円規模の被害を受けたとの試算を明らかにしたうえで、「現状を放置すれば、日本のコンテンツ産業を根底から破壊し、すぐれた才能を枯渇させることは明らか」と警鐘を鳴らした。
海賊版サイトによる被害を減らすには「ISP(プロバイダー)や流通業者などのご協力も不可欠」と指摘。同社としても「刑事告訴や民事での提訴など断固たる姿勢で臨む」と姿勢を示した。
ネット上には多数の海賊版サイトがあるが、「漫画村」は昨年から存在感を急速に高め、批判の声が強まっている。
政府は同日の知的財産戦略本部・犯罪対策閣僚会議で、とりわけ悪質な海賊版サイトとして、「漫画村」「AniTube!(アニチューブ)」「MioMio(ミオミオ)」の3サイトを名指し。当面はこれらのサイトに限り、民間プロバイダーの自主的な取り組みとして、接続を遮断するのが適当とした。