尖閣の領海侵入常態化…中国、海洋強国へ軍と連携

 【北京=藤本欣也】強国路線を掲げる中国の習近平政権は、「海洋強国」の建設を加速させている。その一環として3月、尖閣諸島沖で領海侵入を繰り返す海警局(海上保安庁に相当)を、最高軍事機関である中央軍事委員会の指揮下に置く機構改革を発表した。今後は軍事力を利用する形で、日本の実効支配を崩す動きを強めていくとみられる。

 「中日関係は改善の勢いが続いている」

 中国の李克強首相が9日、北京を訪問した河野洋平元衆院議長との会談でこう述べたように、両国は冷却化した関係から脱しつつある。王毅国務委員兼外相も15日から日本を訪問し、約8年ぶりに閣僚級のハイレベル経済対話を行う。

 しかし尖閣周辺の波も同様に静まるかといえばそうではない。今年1月11日、中国海軍の攻撃型原子力潜水艦が尖閣周辺の接続水域を航行したことが初めて確認されたときも、昨年11月の日中首脳会談を受けて関係改善ムードが高まっていた時期で、日本では驚きをもって受け止められた。

 昨年10月の共産党大会で「海洋強国の建設を加速させる」ことを確認した習政権に対し、海洋進出の手を緩めることを期待するのは現実的ではない。