宮家邦彦のWorld Watch

「欧州の天地は複雑怪奇」今も昔も変わっていないのか

 5回の全体会議は毎回90分間で発言者が6〜8人。ほぼ全員が母国語の原稿を読み上げるので、会議は常に時間超過。当然質疑応答も皆無。これを同時通訳のイヤホンで延々と聞かされるのだ。

 人間の注意力にも限界はある。多くの発言者が長々とロシア外交礼賛を繰り返す。これで欧米の参加者が満足するはずはない。こんな簡単なことがなぜ分からないのだろうか。

 7回連続参加した欧州研究者たちは異口同音に「毎年同じだよ」と言う。この会議には抜本的改革が必要だろう。

 閉会式を待たずにオランダへ飛んだ。アムステルダムまでは飛行機で約3時間、ここからは現代文明だ。東欧・ロシアから来ると西欧のありがたみが良く分かる。痛感したのは西欧から見るロシアと、東欧から見るロシアが微妙に違うことだ。ソ連崩壊後、東欧がNATO・EUの拡大を望んだのに対し、西欧大陸国はいずれもこれに慎重だった。こうした「西側の東進」を強く推進したのは英米である。この政策の是非について今も欧州にコンセンサスはない。