衝撃事件の核心

終電にしがみついたサラリーマン、電車止め現行犯逮捕…小さくない深酒の代償

それ以来、鉄道各社は酔客の危険な駆け込み乗車や視覚障害者らの転落を予防できるホームドアの設置を進めてきた。新大久保駅があるJR山手線ではほとんどの駅でホームドアが導入されている。

関西圏でもJR西日本がこれまでに大阪駅(大阪市)や六甲道駅(神戸市)など計11駅で設置。阪急電鉄や阪神電鉄も利用者が多い一部駅に導入を予定している。しかし、ホームドアは設置コストが高く、「全ての駅に導入するのは難しい」(JR西担当者)というのが現状だ。

駅構内での酔客によるトラブルは尽きない。今年1月にはJR逗子駅(神奈川県逗子市)に到着した電車内で酒に酔って寝ていた男が駅員に起こされたことに腹を立て、駅員につばを吐きかけたとして暴行容疑で現行犯逮捕された。

昨年10月には、京阪電鉄大江橋駅(大阪市)で線路に男性が転落し、電車にはねられて死亡する事故が起きた。この男性も酒を飲んでいたとみられ、駅ホームの防犯カメラにふらつきながら歩く様子が記録されていた。

自動車の飲酒運転については厳罰化が進む一方、酒気帯び状態での公共交通機関利用についてはルールが設定されていない。鉄道など交通の安全システムに詳しい安部誠治・関西大教授は「多量に飲酒した状態では利用を控えるなど、利用者側もマナーを考える社会にならなければ、酔客によるトラブルをなくすことは難しい」と強調した。(土屋宏剛)