奈良県田原本町が約13億円をかけて整備を進めていた唐古(からこ)・鍵(かぎ)遺跡史跡公園が完成し、報道関係者に10日、公開された。県内初となる弥生時代をテーマにした史跡公園。約10万平方メートルの広大な敷地に環濠や当時の植生を再現しており、町は年間約4万人の入園者を見込んでいる。
園内は、大型建物跡を示す樹脂製の柱23本が立つ「弥生の建物広場」▽ケヤキやクリなど41種類の樹木で植生を再現した「弥生の林エリア」▽休憩所を備えた「弥生の生活体験広場」▽5本ある環濠の一部を復元した「多重環濠エリア」▽各種イベントができる「多目的広場」-に分かれ、ガイダンス施設の「遺構展示情報館」も設けられた。
同館には、発掘調査で見つかった大型建物の柱の実物(長さ2・5メートル、直径80センチ)や、大型建物跡の巨大な遺構模型(広さ50畳)が展示されている。
森章浩町長は「20日にオープンする道の駅『レスティ 唐古・鍵』と連携し、観光拠点として活用していきたい」としている。
この日は、大和磯城ライオンズクラブ(辰巳佳照会長)から寄贈された史跡公園の園名石(えんめいせき)と、太陽電池で動く園内の時計も公開された。辰巳会長は「これからも唐古・鍵遺跡を盛り上げて、町の発展につなげていってほしい」と語った。