「なにとぞ勘違いをされないようにお願いしたい」
10日の衆院安全保障委員会でこう発言したのは、大野敬太郎防衛政務官だ。
質疑に立った希望の党の後藤祐一氏は、陸上自衛隊のイラク派遣日報問題をめぐり、小野寺五典防衛相が立ち上げた調査チームの責任者に大野氏を起用したことを疑問視した。
理由は、陸自のイラク派遣時の防衛庁長官が大野氏の父、功統(よしのり)氏だったため。「イラク日報を検証する中で都合が悪いものが出てくることもあり得る。お父さまのやっていたことが法律違反だったようなことが出てくるかもしれない。客観的、中立的に(調査を)できるとお考えか」などとまくし立てた。
大野氏は「小野寺氏の指示を受けて国会の負託に応えるよう最大限努力をしている。父親に何が起こっても、国民にしっかりと説明をするのが私の責務だ」と強調した後に冒頭の発言をした。
与党席から起きた拍手に、後藤氏は「この大きな拍手はなんなんですか。精神論を言われたって信用できませんよ」などと反論。さらに、自衛隊のイラク派遣時期に小野寺氏が外務政務官、大野氏が功統氏の秘書官、福田達夫防衛政務官が父、康夫元首相の秘書官を務めたとして「防衛省の4人の政務三役のうち3人がイラク派遣の直接当事者だった」とも批判した。