検証 働き方改革

(2)「何なら是正勧告してもいいけど」恫喝にのぞく労基署の本音 自民から「企業いじめは役人の体質」との怒りも

 政府が最重要法案と位置づける働き方改革関連法案を閣議決定し、国会に提出した6日。是正勧告をめぐり失言を連発した厚生労働省東京労働局の勝田智明局長が衆院厚労委員会に参考人として出席した。

 「局長の権限をいたずらに行使するかのような発言で不適切。国民に労働行政の公平、公正について大きな疑念を抱かせ、改めて撤回し、深くおわびする」

 勝田氏は失言について謝罪したが、用意した紙の棒読み。最後に頭を下げたものの、質問した立憲民主党の初鹿明博衆院議員から「誠意がこもっていない」と酷評された。

 失言は3月30日の記者会見で飛び出した。裁量労働制の違法適用で野村不動産に対する是正勧告を実施したかどうかをめぐり、問い詰められた勝田氏はこう恫喝してみせた。

 「何なら、皆さんの会社に行って、是正勧告してもいいんだけど」。どういう意味かを問われると、「多くのマスコミでも違反がないわけではないのでね」と続けた。直後に「言い過ぎだった」と陳謝したが、もはや後の祭りだった。

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 これが初めてではない。昨年12月1日の会見で「(同月)26日に1日遅れのクリスマスプレゼントがありますから」と予告した。さらに、記者たちが所属する報道機関を念頭に「この中のどこかに『踏み込みました』というプレゼントだったりしたら大変かも」と述べ、プレゼントが行政処分ということを示唆した。

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