中高生英語力、基準到達4割 上昇傾向も国の目標に届かず 文科省調査

 文部科学省は6日、全国の公立中学・高校の生徒の英語力を調べた平成29年度英語教育実施状況調査の結果を公表した。中3生で「英検3級程度以上」は前年度より4・6ポイント増の40・7%、高3生で「英検準2級程度以上」の生徒も2・9ポイント増の39・3%となったが、政府が同年度までにそれぞれを50%にする目標は達成できなかった。

 調査結果には、中3で英検3級、高3で準2級以上を取得した生徒のほか、取得していなくても定期テストの結果などを基に教員の裁量で「相当の力がある」と認めたものも含まれる。準2級は「高校中級のレベル」、3級は「中学卒業のレベル」とされる。

 中3で到達割合が最も高いのは福井県の62・8%で、さいたま市の58・9%、横浜市の54・0%が続いた。高3でも福井県が52・4%でトップだった。

 今回の結果について、福井県教育委員会の担当者は「各学校がコミュニケーション重視の英語授業を数十年継続してきたことが背景にある」と指摘。その上でALT(外国語指導助手)の活用や高校入試での英検加点制度、英検受検料の補助など生徒の英語学習に向けた環境整備の改善も奏功しているという。

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