「伊賀米」「伊勢茶」 生産技術データ化 県が2年検証、マニュアルに

 県は、農業にICT(情報通信技術)を取り入れ、熟練した生産農家のノウハウを広く共有できるようにする。今後2年程度かけて名産の「伊賀米」と「伊勢茶」でデータを収集し解析。ベテランの経験や勘に基づく作業をマニュアルとしてまとめる。産地全体のレベルアップとブランド力向上が狙いだ。

 生産者団体などの協力を得て、熟練した生産農家を選定。収穫量や品質を高めるために、いつどのような作業をしているのかをセンサーなどを使って検証する。

 伊賀米では、主に鍵となる水の管理などを分析する。センサーで水田の水位を記録するとともに、1キロメートル四方の気象データと照らし合わせ、どのような条件に応じて水を管理しているのかを数値で把握する。また、ドローンを使って波長の異なる赤外線で上空から水田を撮影。稲の生長を分析し、過去のデータとも比較して収穫量や品質を予測する。

 伊勢茶では、日光をさえぎる「かぶせ茶」の手法を検証する。どのような気象条件で、覆いを掛けるのか、その結果、茶葉の成分はどう変化するのかを調べる。生産者団体が構築したトレーサビリティー(生産履歴追跡)システムとも連携し、作業の過程と効果を分析する。いずれも今シーズンからデータ収集を始め、有効なデータは随時、関係する生産者らに伝える。2年間の検証を経てマニュアル化する方針だが、その後もデータ収集を続け、精度を高めていく考えだ。

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