陸自イラク日報問題

イラク日報、空自でも発見 小野寺五典防衛相「探索続ける」徹底調査明言

 小野寺五典防衛相は6日午前の記者会見で、陸上自衛隊イラク派遣部隊の日報問題に関連し、航空自衛隊の航空幕僚監部からもイラク派遣の日報が見つかったことを明らかにした。「大変遺憾に思う。引き続き、海自、空自の日報についても探索を続けたい」と述べ、調査を徹底する考えを示した。

 小野寺氏は、不存在としていた文書が相次ぎ発見されている事態について「調査結果次第ではシビリアンコントロール(文民統制)に関わりかねない重大な問題になる」と懸念を示した。ただ、現時点では省内の調査チームによる究明を優先し、検事らが携わる特別防衛監察は実施しない考えを表明した。

 小野寺氏によると、日報は5日、空幕の運用支援・情報部に保存されているのが見つかった。空自が平成15〜21年にかけてイラクで実施した活動に関する情報が記載されており、3日分計3枚の電子ファイル。空自はこの期間にイラクに輸送機など部隊を派遣し、復興支援活動として物資や要員の輸送を行っている。

 発見は5日中に空自トップの丸茂吉成航空幕僚長に報告され、丸茂氏は6日朝に小野寺氏に報告。小野寺氏は同日の閣議の後、安倍晋三首相に報告した。

 防衛省に対して5日、野党議員の事務所からイラクでの空自の活動に関する資料要求があり、その対応のための捜索で見つかった。自衛隊のイラク派遣に関する文書は昨年2月にも野党議員から資料要求があったが、当時の稲田朋美防衛相は同2月20日に「確認したが、見つけられなかった」と国会答弁していた。

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