JR東日本は3日、車内での犯罪防止やテロ抑止策として、今年度以降に新造する全ての車両などに防犯カメラを標準装備する方針を明らかにした。
同社によると、当面は東京五輪・パラリンピック開催前の平成32年春までに、成田空港と埼玉、神奈川、東京西部の各方面を結ぶ「成田エクスプレス」と中央、常磐各線の特急列車の全車両に防犯カメラを設置する。使用中の車両には改造して設置する。事業費は計約16億円程度。
同社は既に山手線で旧型と置き換え予定の新型車両50編成への設置を決定しており、設置予定車両は計約940両となる。同社は計約1万3千両を保有するが、他の路線での導入計画は未定。特急車両は客室内に2カ所ずつ、山手線はドア上部の液晶画面横に4カ所ずつ設置し、車内全体を常時録画する。
同社は痴漢対策として平成21年から埼京線の一部車両に防犯カメラを設置している。25年には走行中の東海道新幹線で男が焼身自殺する事件が起き、東北新幹線など計約770両にも導入されている。
3日に記者会見した同社の深沢祐二社長は「路線全体のセキュリティーレベル向上に有効。犯罪捜査への実績もある」と話した。
東京五輪を前に首都圏の各鉄道会社では防犯カメラ導入が進む。東京メトロと都営地下鉄は昨年3月、計約3800両への設置を発表。東急電鉄でも全車両設置を進めている。