指先の血液1滴で何百種類もの疾病検査ができると謳い、米シリコンバレーでユニコーン(評価額10億ドル以上で未上場の新興・ベンチャー企業)となった医療ベンチャー「セラノス」の女性創業者にいよいよ引導が渡された。3年前には、米誌フォーブスの米女性長者番付で推定資産45億ドル(約5千億円)でトップとなり、そのミステリアスな雰囲気も相まって全米の注目を浴びた。ところが、この検査に疑いの目が向けられ、3月14日、米証券取引委員会(SEC)は女性創業者らの行為を詐欺と判断、女性創業者はセラノスの経営権を手放す事態に追い込まれた。
世界最年少の億万長者
米メディアなどによると、セラノスの創業者で最高経営責任者(CEO)のエリザベス・ホームズ氏(34)は、19歳だった2003年にセラノスを立ち上げた。13年には画期的な血液検査を売り物にして話題をさらい、14年の企業評価額は90億ドル(約1兆円)に達したという。
世界最年少の女性億万長者として、一躍「時の人」となったホームズ氏は、米アップルを創業したスティーブ・ジョブス氏になぞらえて「次代のジョブス」「ジョブスの再来」と称されるようになった。
メディアがそう呼んだのには理由がある。