クローズアップ科学

ブラックホールはどうなる? ホーキング博士、革新的理論で常識に挑んだ宇宙論の巨人

 発病による心境の変化について、著書『ホーキングの最新宇宙論』で「早死にするかもしれないという現実に直面すれば、誰でも命の大切さや、やるべきことが山ほどあることに気づく」と振り返っている。

 自身の研究を紹介した一般書『ホーキング、宇宙を語る』は世界的なベストセラーに。数式をほとんど載せなかったのは「数式を一つ入れるたびに、売れ行きは半減する」からで、宇宙の魅力を分かりやすく伝えることに心を砕いた。

 死の直前も「宇宙は複数存在する」との学説を証明する論文を仕上げていたといい、最期まで研究に情熱を注いだ。

 遺灰はニュートンやダーウィンらの墓があるロンドンのウェストミンスター寺院に埋葬される。

「偉大な足跡、ノーベル賞級」東大名誉教授・佐藤勝彦氏(宇宙論)

 数学的な技術はもちろん、物理的な直感やセンスが本当に優れた方だった。みんなが「ブラックホールは吸い込むもの」と思っていた中で、蒸発するという考え方をしたのもそうだ。アインシュタインの後を受け、一般相対性理論と量子力学を結び付けた。宇宙物理学に残した足跡は偉大だ。ノーベル賞は証明がないと授与されないようだが、業績はノーベル賞級だった。

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