鑑賞眼

「メリー・ポピンズ」 メリーの魔法に大人も涙

今年、見逃してはいけないミュージカル。「チム・チム・チェリー」など、シャーマン兄弟作詞・作曲の名ナンバーに心躍るだけでなく、原作映画より家族の結束に焦点を絞った脚本・演出がよく、大人もメリーの魔法にかかり涙してしまう。

ジュリー・アンドリュース主演でヒットした同名映画(1964年)を、ディズニーと「レ・ミゼラブル」などの制作で知られるキャメロン・マッキントッシュが組み、2004年にロンドンで舞台化。その日本初演だ。

20世紀初頭のロンドンを舞台に、バンクス家のやんちゃな2人の子供の家庭教師として、メリー(濱田めぐみ、平原綾香のダブルキャスト=以下、WC)が舞い降り問題を抱える一家を一つにしていく。

舞台版は、仕事一筋で妻子と疎遠なバンクス(駒田一、山路和弘のWC)の人物造形が深い。厳格に育てられ、家族に不器用にしか接することができない男が、銀行をクビになり、初めて家族と向かい合う。メリーは一家の危機に現れ、バンクス夫人(木村花代、三森千愛のWC)や子供たちを後押し。役目を終えると星空に飛び去っていく。

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