歌舞伎の人間国宝、坂東玉三郎が8日から、敬愛するシャンソンの女王越路吹雪(1924〜80年)の名曲を歌うコンサートを全国で催す。越路の後輩にあたる元宝塚歌劇団トップスターと、ミュージカル界で活躍中の海宝直人も出演する豪華な顔ぶれ。玉三郎は「若い時から越路さんの舞台に通い、尊敬し、ずっと一緒に生きてきた。心を込めて歌をご披露できれば」と思いを話す。
玉三郎は若き日、越路のリサイタルに通い、「舞台もほとんど見ていた」というほどの熱烈なファン。昨年は越路の三十七回忌特別追悼公演にも出演し、アルバム「邂逅(かいこう)〜越路吹雪を歌う」(ユニバーサル)もリリースするなど、シャンソンを披露する機会が増えた。「越路さんの再現はできないが、一つのレジェンド(伝説的存在)を仰ぎ、みんなですてきな歌を歌いたい」との思いが、今回の企画につながった。
出演する宝塚の元トップスターは、真琴つばさ、姿月(しづき)あさと、大空ゆうひ、水夏希、霧矢大夢(ひろむ)、凰稀(おうき)かなめ(出演者は日程で異なる)。予定曲は「愛の讃歌(さんか)」「バラ色の人生」「枯葉(かれは)」「水に流して」などシャンソンの名曲のほか、越路が主演した「結婚物語」などのミュージカルナンバーも盛り込まれる。