激動・朝鮮半島

バッハIOC会長を「友人」 金正恩氏、米朝首脳会談控え次々「保険」かける

 【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮は2020年の東京五輪などへの参加を表明し、国際オリンピック委員会(IOC)を味方に引き込む動きに出た。初の米朝首脳会談をめぐり、交渉の難航も予想される中、電撃的な対中接近に続いて「保険」を確保した形だ。

 「凍り付いていた北南(南北)関係が(平昌)五輪を契機に劇的な解氷期を迎えられたのは、全面的にIOCの功労だ」。金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は3月30日のバッハIOC会長との会談でこう述べた。

 平昌五輪参加で「規定と慣例を超えて特例的な措置を取り、積極的に協力してくれた」ことにも「心からありがたく思う」と謝意を示した。女子サッカーの試合を共に観戦し、友好をアピール。バッハ氏に「友人として」頻繁に訪朝するようにも求めた。

 トランプ米大統領は5月の首脳会談に応じたが、米国が求めるのは「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」だ。これに対し、金委員長は、中国の習近平国家主席との会談で、非核化をめぐって米韓が「段階的で歩調を合わせた措置」を取る必要性に言及。北朝鮮ペースで交渉を先延ばしする構えを見せている。

 トランプ氏は、対北強硬派で国務長官や安全保障担当の大統領補佐官を固めようとし、軍事的選択肢も手放していない。金委員長はこれに対抗し、初訪中で中国を後ろ盾に据えた上、平昌五輪に続く五輪参加表明で、スポーツをまたも政治利用しようとしている。

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