新潟県警、いじめ対策で緊急通報装置 全国初、来年度から導入

 県警は、深刻な状況が続く児童や生徒のいじめが重大な被害につながらないようにするため、ボタンを押すと110番通報される小型の装置を、いじめ対策としては全国で初めて来年度から導入する。オレオレ詐欺など特殊詐欺の撲滅に向け、被害の内容をインターネットのホームページ(HP)で公開する取り組みもスタート。対策の実効性を高め、県民生活の「安全・安心」の確保を図りたい考えだ。 (太田泰)

 いじめ対策の一環として導入するのは、衛星利用測位システム(GPS)機能を持つ緊急通報装置。縦8センチ、横4センチと手のひらに収まるサイズで、ボタンを押すと県警本部に自動的に通報が届き、本部から指示を受けた警察官が現場に急行し、被害者を保護する。

 貸し出しの対象は、相談に訪れた保護者や子供のうち、深刻ないじめに遭っているなど緊急性が高いと判断されたケース。県警は集団でのいじめや暴行などの防止に役立てたい考えだ。

 この装置は既にストーカーやドメスティックバイオレンス(DV)対策に活用され、一定の効果を上げているという。いじめ対策用として来年度から5台を無料で貸し出し、効果が大きければ貸与台数の拡大も検討するとしている。

 県警少年課によると、県警に昨年寄せられたいじめの相談は、前年の約2・5倍に当たる170件。内容は、悪口などが約35%を占め、次いで暴力・傷害が約22%、強要が約4%などとなっている。相談者の内訳は、保護者が約46%と最も多く、次いで本人約21%、学校関係者約19%などだった。

 相談件数が急増した理由について、同課の担当者は「いじめに関する広報活動の効果が表れたのではないか」としている。

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 ◆特殊詐欺防止へ実例紹介 HPに「ひかるくんの事件簿」

 県警は特殊詐欺の被害を防ぐため、ホームページ上に「ひかるくんの事件簿」と題したコーナーを開設した。実際に起きた詐欺の被害者の年齢や被害に遭った日時、金額なども含めて具体的に紹介。同じような被害が繰り返されないように閲覧を呼び掛けている。

 「ひかるくん」は県警のマスコットキャラクター。HPの事件簿には29日、見附市の50代の男性が今月23日に被害に遭った事例が掲載された。具体的には、金融会社を名乗る男から「50万円を融資する。返済能力確認のため4万円を振り込んでほしい」と携帯電話に連絡があり、4万円を振り込んだ。6万円の追加振り込みにも応じ、結局10万円をだまし取られたという。

 事件簿は2月中旬にスタート。掲載する事件は1週間ごとに更新している。県警は、昨秋から運用している公式ツイッターと事件簿を連携させながら、被害防止の啓発に当たっている。

 県警生活安全企画課によると、平成29年に発生した特殊詐欺の認知件数は前年比14・3%増の208件、被害総額は24・3%増の5億7253万円。被害者の約半数は65歳以上の高齢者だった。県警は「最新の被害情報を発信することで、地域一丸となって対策を進めたい」と、事件簿の活用を呼び掛けている。

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