民進党の大塚耕平代表が掲げた「新しい民主党」構想の前途は多難だ。野党第一党の立憲民主党にそっぽを向かれ、党内をまとめ切る見通しは立たない。希望の党にも民進党執行部の手腕への不信感がくすぶる。
30日の民進党両院議員総会での承認取りつけは円満には進まなかった。
「国会会期中にこういうことに労力を使うのは野党共闘に対する背信行為だ」
安住淳元財務相は国会論戦での政権追及に注力すべきだと訴え、再編を急ぐ大塚氏をいさめた。
最終的に執行部方針は拍手で承認されたが、手をたたくことを拒んだ議員も少なくなかった。杉尾秀哉参院議員は総会後、「私は拍手しなかった。(希望の党には)別の考え方の人もいる」と記者団に明かした。
慎重論の背景には「堅調な支持率を保つ立憲民主党が合流しなければ『弱者連合』ができあがるだけ」(参院中堅)という不安がある。もちろん、立憲民主党を巻き込みたいという思惑は大塚氏も同じだ。大塚氏は28日、同党の枝野幸男代表に探りを入れた。
「今週、ぼちぼち声をかけますから…」