正論

「日本型リベラル」の真相は何か  動物行動研究家 エッセイスト 竹内久美子

 そんなわけないじゃないか、浮気なんて日常茶飯事だ、と多くの人が思うだろう。「キンゼイ報告」をはじめとする、どんな性の実態調査であっても、皆一様に浮気はかなり頻繁に行われていることが示されている。しかし浮気などというものはあってはならないという思想のもと、こんな捏造がまかり通るのである。

人間を研究することを許さない

 さらに、同じ人物による隠蔽(いんぺい)の例を挙げるとすると、カンジャール族という流浪の民の研究の紹介である。カンジャール族では女の子が生まれると「やったあ」と大喜びになるが、男の子だと皆がっかりする。なぜか。女の子は将来、大道で歌や踊りを披露してお金を稼ぐからである-。

 何かおかしい。その程度の理由で大喜びできるだろうかと、原著論文を読んでみると、カンジャール族の主たる収入源は売春だった。さらに言えば、それくらいのことをしなければ、流浪の民が生きていくのは不可能だということである。

 だが「日本型リベラル」の研究者にとって、売春などあってはならない、売春は女性差別の最たるもの、として隠しておきたいのだろう。

 「日本型リベラル」の研究者たちはまた、人間を研究することを許さないとして長年、研究妨害を続けてきた。そのため、日本では人間の研究が著しく出遅れてしまった。人間について明らかにされることが、よほど都合が悪いのだろうか。