衝撃事件の核心

一度出回ると無限に拡散…それでも自画撮りしてしまう心理・原因とは

親しい人に送る場合でも危険は伴う。交際関係を解消した後に、一方当事者がネット上に流出させる報復行為は「リベンジポルノ」と呼ばれ、東京都三鷹市で25年、高3女子生徒が刺殺されたストーカー事件で犯人の男がこの行為に及び、一気に社会問題化した。

被害防ぐには

なぜリスクのある自画撮りはなくならないのか。お茶の水女子大の坂元章教授(社会心理学)は(1)性的な写真を招き寄せるネットの特性(2)自画撮りの日常化(3)加害行為の特性-を挙げる。

(1)については、スマートフォン(スマホ)の普及が大きい。ユーザーが、ネット上は必ずしも匿名ではないことを意識しないまま、従前より簡単な操作で自分の画像を発信できるようになったことから、サイバー空間に性的画像があふれる結果を招来した。

(2)については、スマホなどで撮影者側に向いた「インカメラ」や、写真加工アプリの性能が向上したことで自画撮りを気軽に楽しむ文化が浸透。これによって自分の体を撮影することに抵抗感が薄まっているという背景もあると考えられる。

(3)の加害行為の特性とはSNS時代ならではの、加害者の特徴や個人特定の手口のこと。加害者はネットを駆使して多くのユーザーに写真を要求できるうえ、得た画像は加害者同士で交換されてしまう。たとえ顔を隠していても、ネット情報、画像情報をつなぎ合わせることで自画撮りの主を特定し、脅しにかかるといったことさえありうる。

しつこい脅しを受けた場合、被害者は「画像を送ってしまえばすっきりする」と安易な結論に走りがちだ。特に中高生は将来の危険性を過小評価する傾向があり、児童ポルノ事件の増加につながっている可能性があるという。

自画撮り被害を防止するため、東京都では今年2月、18歳未満の児童生徒に自画撮りの送信を要求する行為を罰する条例が施行された。坂元教授は「法令による規制に加え、保護者の見守りやフィルタリング、教育現場で子供のころから被害や回避方法について学ぶことが、被害を減らすことにつながる」と話す。