原発最前線

大間原発訴訟「原告全面敗訴」で見えた深刻な「断絶」

【原発最前線】大間原発訴訟「原告全面敗訴」で見えた深刻な「断絶」
【原発最前線】大間原発訴訟「原告全面敗訴」で見えた深刻な「断絶」
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 「原告らの差し止め請求は、いずれも理由がない」。3月19日の函館地裁判決で、大間原発(青森県)の建設差し止めを国と電源開発(Jパワー)に求めた市民団体の主張は、ほぼ全面的に退けられた。原子力規制委員会の審査基準を合理的と判断した判決に対し、原告側は「原発を子供たちに残してはならない」と控訴を表明。判決は、原発をめぐって見解や立場の異なる者同士の言葉が届かない「断絶」を、改めて浮き彫りにした。(社会部編集委員 鵜野光博)

大きすぎる温度差

 「大間原発なんて建てちゃいけない。福島の次の事故なんか、誰も起こさせたくない。この世界を核で汚したらいけない」

 判決が出た19日午後、函館地裁前で原告団の女性の1人はこう訴えた。周囲からは「そうだ」という声が上がり、「不当判決!」と書かれた紙が掲げられた。

 大間原発は商業炉として世界で初めてプルトニウムとウランの混合酸化物(MOX)を全炉心で使う「フルMOX」だ。原告側は「MOX燃料に含まれるプルトニウム239は毒性が極めて強い」と危険性を強調し、「実験炉などで安全性の確認がなされておらず、事故が起きれば東京電力福島第1原発以上の被害になる」と主張。Jパワー側は「国内外で十分な使用実績がある」と反論し、「フルMOX炉の特性を適切に考慮した設計で安全を確保する」としていた。

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