「雇い止め」に相次ぎ訴え 各地で大学と教職員が対立 4月から無期転換ルール適用で

 大学の経営は厳しい。ここ10年ほどは120万人程度で横ばいだった18歳の人口が今年から急激に減る、いわゆる「2018年問題」が経営を直撃する。私立大の場合は、運営費の9割を授業料で賄っている所が多く、一層深刻だ。

 国立大も状況は変わらない。国からの運営費交付金は平成16年の法人化後、毎年約1%ずつ縮小している。10年間で総額は約1兆2400億円から約1兆1100億円へと約1300億円も減額した。名古屋大と岐阜大が設置主体である国立大学法人の統合に向けた協議に入ることが明るみに出るなど、経営の効率化は急務となっている。

 特に国立大で雇い止めが問題になっているのは、法人化後、人件費抑制のため職員の雇用を有期に切り替えてきたことが背景にある。全国大学高専教職員組合の試算によると、国立大の有期職員は法人化後、約1・5倍の約7万人に上るという。

 雇い止めを宣告された東京都内の50代の非常勤講師は「私たちが辞めたら、代わりに常勤の教員が授業科目を担当することになっており、しわ寄せがいく。教員の研究がおろそかになり日本全体の研究レベルが下がらないか恐れている」と話した。

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 無期雇用転換ルール 有期契約が繰り返し更新されて通算5年を超えた場合、労働者が希望すれば使用者は無期雇用に転換しなければならない。リーマン・ショックで雇い止めが問題化したのを機に、雇用の安定を図るため労働契約法が改正。平成30年4月から適用される。6カ月以上雇用関係がない「空白期間」があると、勤続年数の通算はゼロに戻る。契約社員、パート、派遣など雇用形態を問わない。対象者は約450万人と推計される。