青木さんは「時間をかけて伝え続けることで変わってきた。みなさんも覚悟を持ってやり続けてほしい」と呼びかけた。
多様な働き手 会社は成長する
フォーラムでは、経営者も登壇。ソフトウエアや製品の開発を行う「プロアシスト」(大阪市中央区)の生駒京子社長(61)は「多様な方と働くことで会社が成長する。トップが『するんだ』という気持ちで取り組むことが大切」と訴えた。
約200人の従業員の内、約3割が女性。「一人で創業したので、えり好みはできない。社の考え方に合う方がいれば、性別や国籍にかかわらず採用してきました」と振り返る。「大家族主義」を掲げ、家族同伴の慰安旅行や干支会といったコミュニケーションの場を多く設定。育児休業中も、半年に1度は同僚たちとの昼食会に参加することを義務づけるとともに、穴埋めをする周囲の社員へのフォローも欠かさない。
同社も育児休業からの復職率は100%。課長の女性が育児休業を取り、復帰後に時短勤務をしながら部長に昇進した例もある。生駒社長は「人材がいなくなれば会社は衰退する。区別なく働けることが、成長戦略です」と胸を張った。
柔軟な働き方をサポートする
経済産業省によると、近年では人材不足が深刻化し、中小企業の経営上の不安要素となっている。