琵琶湖・沖島で「泳ぐイノシシ」の食害相次ぐ エサのにおいにつられ20キロ遠泳も…獣医師会が研修会

沖島付近の琵琶湖で目撃された泳ぐイノシシの写真について解説する高橋名誉教授=25日、滋賀県草津市
沖島付近の琵琶湖で目撃された泳ぐイノシシの写真について解説する高橋名誉教授=25日、滋賀県草津市

 琵琶湖を泳いで沖島などにも生息域を拡大しているイノシシによる作物などの食害を防ごうと、滋賀県獣医師会は25日、県立琵琶湖博物館(同県草津市)で研修会を開き、獣医師や市民ら約30人が参加した。

 研修会には、奈良大の高橋春成(しゅんじょう)名誉教授(人文地理学)が講師として参加。高橋名誉教授は自治体へのアンケートや目撃証言などから、イノシシが泳ぐ理由について研究している。

 高橋名誉教授によると、泳ぐイノシシの目撃例は1980年代から全国的に増加。食糧不足で平地に下りたイノシシが、エサのにおいにつられ海や湖を泳ぐと考えられ、15〜20キロほど泳いだ例もあるという。

 県内では、平成21年に沖島で初めて目撃され、以降、毎年サツマイモ畑などで食害が発生している。竹生島周辺でも泳いでいる姿が目撃されたという。

 28年には同県彦根市の彦根城外堀沿いの遊歩道にイノシシが出没し、観光客4人にかみつくなどして重軽傷を負わせた。川か湖を泳いできたとみられる。

 高橋名誉教授は「イノシシは泳げる動物だと意識を変えて、岸辺などでもわなや侵入防止柵の導入を検討すべきだ」と話した。