公文書改竄 元財務官僚・高橋洋一が斬る

(上) 近畿財務局の失敗は「随意契約」にしてしまっただけ

揺れる財務省=東京都千代田区・財務省(納冨康撮影)
揺れる財務省=東京都千代田区・財務省(納冨康撮影)

 学校法人「森友学園」への国有地売却をめぐる財務省の決裁文書改竄問題は、法に抵触する可能性がある「犯罪」です。財務官僚のおごり・過信が生んだものです。

 財務省理財局の指示を受けて改竄させられた同省近畿財務局には、当初(平成25年6月の国有地の取得要望受付)の段階で「随意契約」にしてしまったこと以外、失敗はないと思います。

 問題の土地は、森友学園より前に大阪府豊中市に売却され、「野田中央公園」が造られた国有地と一筆の土地で、面積はほぼ同じ。さらに、その土地は大量のごみ投棄場所になっていたことは周辺住民には周知の事実だった。近畿財務局としてはどうしても早く処分したい土地でした。

 公園になった土地の売却価格は約14億2千万円でしたが、国の補助金と交付金が出たため豊中市の負担は2124万2千円でした。

 森友の土地も最初から地中ごみの存在をきちんと明らかにした上で「入札」しておけば済んだ案件ですよ。ごみ撤去費用を購入者負担にして、入札価格「0円」でも問題なかった。

会員限定記事会員サービス詳細