神戸連続児童殺傷事件

山下彩花さん父「試練の中で魂磨かれる」事件から21年、心境綴った手記全文

 神戸市須磨区で平成9年に起きた連続児童殺傷事件で、小学4年の山下彩花さん=当時(10)=が亡くなってから23日で丸21年を迎える。命日を前に父の賢治さん(69)は現在の心境をつづった手記を産経新聞に寄せた。

 事件後、賢治さんの妻、京子さんは「生きる力の大切さ」を伝えるために全国各地で講演を続けたが、乳がんで闘病の末、昨年6月に61歳で亡くなった。賢治さんは「家族が20年をかけて学んだのは『試練の中でこそ魂が磨かれ、人の幸せを願う深みのある優しさと、倒れても立ち上がろうとする真の強さが育まれる』ということ。体験し学んだことを丁寧に社会にお返しする」と死去直前に京子さんが残した言葉を紹介。その上で「これが私の現在の心情そのものであり、妻亡き後も変わりはございません」と記した。

 加害男性(35)は27年、賢治さんら犠牲者遺族に無断で「元少年A」の匿名を用いて手記「絶歌」を出版。19年以降、命日の直前には反省の意を記した加害男性からの手紙が代理人を通じて届いていたが、出版を機にすべて廃棄した。賢治さんは、今年も手紙が届いたかどうか代理人に確認すらしていないことも明かした。

 山下賢治さんが寄せた手記の全文は次の通り。

 報道各社の皆様へ

 2018年3月23日、最愛の娘・彩花が10歳で命を閉じてから丸21年になります。事件後、命の尊さ、生きる力の大切さを伝え続けてきた妻の京子は去年6月、乳がんの闘病の末、亡くなりました。妻は、事件から丸20年の去年3月に、つながりのあった報道各社の皆様に思いを綴った手記をお渡しさせていただき、そこにはこのように記されております。

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