関西の議論

日本の「ラーメン」韓国人には不評?…「ラミョン」似て非なるもの

 金さんが挙げる日韓の差はダシのとり方。日本ではみそ汁や吸い物などをつくる際、かつお節やコンブでダシをとるのが基本だが、スープ類が多い韓国でも、ダシは重要だ。「イワシの煮干しや乾燥エビ、日本と同じくコンブも使いますが、味付けはしょうゆよりも塩を多く使う。日本はしょうゆが多いので、韓国人はしょっぱいと感じる」と分析する。

 韓国料理研究家の本田朋美さんは、肉の脂や臭みを除く韓国料理の調理法をあげる。韓国にはカルビタンやソルロンタン、コムタンなど肉類を使ったスープが多いが、脂っこさがあまりない。そうしたスープ類は「肉や骨をしばらく水につけて血や臭みをとり、煮込んだ後に冷まし、浮いてきた脂をていねいにとる。こうすると脂っこさがない」という。

 ふだんからこうして調理されたスープを味わっていると、ときに豚の背脂なども使う日本のラーメンは脂っこいかもしれない。

 ただ韓国人が日本のラーメンを食べて感じることは、ほかにもある。本田さんはこう指摘する。

 「韓国人は、食べ慣れたラミョンはこういうものという基準がある。日本のラーメンを食べてみると、その基準と異なり、『あれ』という『発見』がある。発見がいい意味だとおいしいとなるし、悪い意味だと脂っこいとなる」

 日韓は「似て非なる」関係といわれ、互いの文化の違いに気付きにくいという指摘がある。実は別物の「ラーメン」と「ラミョン」にも同じことがいえるかもしれない。

会員限定記事会員サービス詳細