宇都宮市と芳賀町が進める次世代型路面電車(LRT)の整備計画で20日、軌道敷設の工事が国土交通省から認可された。佐藤栄一市長は同日、記者会見に臨み、「実現に向けた大きな一歩」と、月内着工に意欲を示した。(斎藤有美)
工事の認可を受けたのはJR宇都宮駅東口から芳賀町下高根沢の芳賀・高根沢工業団地の14・6キロ。総事業費は458億円。平成34年3月の開業を目指す。同駅西側にも延伸する計画があるが、東側を優先して整備する。既存の鉄道軌道を利用したLRTの整備はあるが、全線を新設する計画は全国初となる。
工事認可を受けて、佐藤市長は会見を開き、芳賀町の上野哲男副町長と運営会社の第三セクター「宇都宮ライトレール」の高井徹社長が同席。着工時期について佐藤市長は「できるところからすみやかに着工したい。今月内にできれば着工したい。(これまで掲げてきた年度内着工は)事業の手続きの開始ではなく、あくまで工事の開始を目指すことに変わりない」と説明した。
今後、34年の開業に向けて用地取得に取り組み、鬼怒川橋梁(きょうりょう)工事や車両基地建設工事などを進めていく。佐藤市長は「全国からも注目を集める全線新設によるLRT事業の整備のスタート地点に立った」としている。