独裁者の時代

(中)習氏を礼賛「生き菩薩だ」 カリスマ性の演出躍起

 中国の全国人民代表大会(全人代=国会)が閉幕した20日、歴史的な憲法改正を果たした国家主席、習近平は演壇から、人民大会堂に集った2962人の代表を見下ろして宣言した。

 「党政軍民学と東西南北中の一切を党が指導する」-。

 万雷の拍手に習は酔いしれた。しかしこれは習自身の言葉ではない。絶対権力者だった毛沢東が常々語った言葉だ。

 共産党が政治や軍隊、社会を一元的に指導するとの毛の宣言はその死から41年後の昨秋、党規約に盛り込まれた。習は個人崇拝を求めた「終身主席」の威光を借りて、自らに欠けるカリスマ性を演出しようとしたのだった。

 憲法が規定していた国家主席の任期制限が撤廃され、習は2023年以降も、毛と同じ「終身主席」であり続けることが理論上可能となった。

 さらに習は、改正憲法の第1条に「中国共産党の指導は中国の特色ある社会主義の最も本質的な特徴だ」との文言を挿入させた。

 中国法研究者の高橋孝治は、改正憲法について、党が何をやっても許される「最強の免罪符」になりかねないと指摘した。

会員限定記事会員サービス詳細