原発最前線

凍土遮水壁「汚染水1日95トン低減」の通信簿は 依然見えない「費用対効果」

【原発最前線】凍土遮水壁「汚染水1日95トン低減」の通信簿は 依然見えない「費用対効果」
【原発最前線】凍土遮水壁「汚染水1日95トン低減」の通信簿は 依然見えない「費用対効果」
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 「汚染水1日95トン低減」は、「建設に国費350億円」「維持に年十数億円」の投資に見合うのか-。建設決定から5年、昨年11月におおむね凍結した東京電力福島第1原発「凍土遮水壁」の効果について、東電は3月上旬に「単体では汚染水1日95トン低減」との数字をまとめた。他の対策と合わせ、凍土壁完成前は1日約490トンあった汚染水発生量が約110トンに減ったという。ただ、切り札とされてきた凍土壁の「費用対効果」は依然見えないままだ。(社会部編集委員 鵜野光博)

「世界に前例ない」

 「建屋に地下水を近づけない、重層的な水位管理のシステムが構築されたと思っている」

 3月1日、東電の廃炉・汚染水対策最高責任者、増田尚宏氏は記者会見でこう語った。しかし、会見では報道陣から凍土壁の費用対効果を問う声が相次ぎ、東電側はそれを明確に示すことはできなかった。

 第1原発は山側から海へ地下水が流れる地層の中に建っており、地下水が建屋に流れ込んで溶融核燃料(デブリ)を冷やしている汚染水に触れ、1日500トン近い汚染水が発生する原因となってきた。

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