主張

ハーグ条約 子を守るルール周知せよ

 夫婦の問題は、他人が立ち入れない難しさを抱える。だが、加盟した以上、ルールを破れば国際的に強く非難されることを親は知っておくべきだ。

 欧米では両親の離婚後も自由に面会ができることが、子供のためになるという考えが強い。

 親権制度などの違いもあり、条約が日本になじむかどうか、加盟には慎重論もあった。一方、日本から連れ去られた子の返還手続きを取れるようになるなど、加盟による利点があるのは明らかだ。

 未加盟のままでは、子供を連れて日本に帰ろうとした場合に「誘拐」などと指弾され、渡航制限を受けるケースもある。

 夫の暴力などから逃れ、子供を連れて帰国する女性もいる。条約では、子に危害が及ぶ場合は返還を拒否できる。政府は家庭内暴力の相談など支援態勢をより強化すべきだ。子供の幸せを最優先とする運用が大事である。

会員限定記事会員サービス詳細