自転車事故率、中高とも全国ワースト 28年 件数は減少も3年連続 群馬

 交通政策の専門家らでつくる「自転車の安全利用促進委員会」(東京都渋谷区)が15日発表した平成28年の都道府県別の通学時事故件数ランキングで、群馬が中学、高校ともに事故率が全国ワーストとなった。いずれも委員会がランキング結果をまとめ、発表をするようになった26年以来3年連続。

 群馬は1人当たりの自家用車数が全国トップの「車社会」で、前橋市では今年1月、自転車で登校中の市立前橋高の女子生徒2人が85歳の男が運転する乗用車にはねられ死傷した。新学期が近づく中、安全対策の強化が求められている。

 群馬の中学生の事故件数はワーストの埼玉の171件に次いで160件で2位、1万人当たりでは27・60件で1位となった。高校生の事故件数は509件で5位、1万人当たりは91・96件で、こちらもワーストとなった。

 委員会メンバーの三井住友トラスト基礎研究所(東京都港区)の古倉宗治研究理事によると、群馬は1人当たりの自家用車数が全国トップで、通勤通学時の自家用車利用者の割合も全国5位(76・1%)ときわめて高い。自転車事故は対自動車のケースが約85%を占めるという。

 一方で、事故件数は、中学生は総数が前年比32件、1万人当たりが6・24件、高校生は総数が52件、1万人当たりが13・86件減少しており、古倉氏は「各方面の危機感からの自転車の安全利用の取り組みの成果が表れているものと考えられる」としている。

 前照灯やブレーキの不良など自転車の車両自体が事故要因となるケースは全国で年間413件で、このうち約2割が中高生の事故だった。委員会は90項目以上の安全基準を満たしたことを示す「BAAマーク」をつけた自転車を購入することなどを呼びかけている。

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