衝撃事件の核心

後絶たない偽造ED治療薬の販売、危険なのになぜニーズあるのか

【衝撃事件の核心】後絶たない偽造ED治療薬の販売、危険なのになぜニーズあるのか
【衝撃事件の核心】後絶たない偽造ED治療薬の販売、危険なのになぜニーズあるのか
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 抱き合わせ、あるいはセット販売-。わいせつDVD販売業者の間では、ED(勃起不全)治療薬の模造品との組み合わせが最近のトレンドになっているようだ。大阪府警は2月、偽ED薬を所持していた商標法違反の容疑で、違法DVD販売店経営の男(67)と従業員の女(52)を逮捕した。こうした偽造品は一般に、中国やインドなどのヤミ工場で生産され、粗悪な作りで健康被害を引き起こす危険性も指摘されている。にもかかわらず、ネット上では盛んに取引され、摘発が追いつかない。なぜ怪しいクスリにニーズがあるのか。

涙型の錠剤

 1月24日、大阪市中央区日本橋にあるマンションの一室に、大阪府警の家宅捜索が入った。

 違法にコピーされた、わいせつDVDの製造拠点。アダルトビデオであふれかえった室内で、捜査員が容器のボトルを見つけ、手に取った。

 中には涙型の錠剤が多数入っていた。表面には「C100」の刻印。ED治療薬「シアリス」の模造品だった。

 現場から北に約120メートル離れた別のマンションの部屋からも、ED治療薬の模造品を発見。府警はこの2カ所から計約4千錠を押収した。

 逮捕されたDVD販売店経営の男らは、顧客に配布していたカタログで「シ○リス10錠4千円」「30錠9千円」などと宣伝。わいせつDVDとセットで購入するよう呼びかけていた。

 府警によると、シアリスの正規品の価格は1錠1700円ほど。本物であれば破格の値段といえるが、国内ではそもそも、ED治療薬は医師の処方箋がないと入手できない。

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