日本で初めて成人年齢を20歳と定めたのは明治9年の太政官布告だった。江戸時代は地域によってばらつきがあったという。29年制定の民法でも、「成人は20歳」としている。
なぜ、20歳を成人としたのか定かではない。法務省幹部は「当時の日本人の平均寿命や精神的な成熟度などを考慮したのではないか」と説明する。当時の成人年齢は仏・露・米・伊が21歳、英が22歳、蘭が23歳と日本よりも高かった。
ところが、諸外国は順次成人年齢を引き下げ、現在は18歳成人が主流。仏・露・米(州で違いあり)・英・蘭は18歳。韓国が19歳で、日本と同じ20歳はニュージーランドやタイなど数カ国になっている。
こうした状況の中で、平成19年に投票権年齢を18歳以上とした「国民投票法」が制定された。同法は付則で民法の成人年齢の引き下げ検討も求めた。
そこで鳩山邦夫法相(当時)は20年、法相の諮問機関である法制審議会に諮問。法制審は翌21年、「自己の判断と責任において自立した活動ができるようにしたほうがよい」などとの理由を挙げて「18歳に引き下げるのが適当」と答申した。