新生黒田日銀始動へ(下)

「日銀のプリンス」って誰?総裁の椅子、財務省から奪還なるか

 ただ、現行政策を維持しつつ物価上昇を粘り強く待ち出口のタイミングを探る日銀内部の思惑と、機会があれば積極的な緩和拡大に打って出ようとする若田部の主張とは温度差がある。白熱した議論が予想される新体制下の金融政策決定会合でどこまで意見集約を図れるか、雨宮の力量が問われそうだ。

 また、元日銀審議委員の中原伸之は、雨宮は英語が堪能ではなく財務相・中央銀行総裁会議といった国際会議での発信力に不安があるのに加え、企画畑が長く日銀という組織内での内部管理の経験に乏しいと指摘。次期総裁として「ふさわしくない」と主張する。

 こうした批判の声も抑え5年後に総裁の椅子を確保できるのか。日銀内部の切なる思いが成就するかは、異次元緩和を設計した張本人である雨宮がその円滑な幕引きに向け手腕を発揮できるかにかかっている。(敬称略)

 この連載は田辺裕晶、米沢文が担当しました。

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