激動・朝鮮半島

米を恐れる金正恩朝鮮労働党委員長、トランプ米大統領との会談急ぐ 「圧力が効果」を自ら露呈

 米国中心の経済制裁が体制維持に影響を及ぼすほど効いていることもうかがえる。北朝鮮は国際社会警戒のなか、海上で石油などの物資を移し替えて密輸する「瀬取り」をせざるを得ない状況に追い込まれている。トランプ氏が首脳会談の意向を示したことで、金正恩氏は当面の危機は回避できるとみて、直接交渉で軍事圧力や経済制裁から逃れる考えかもしれない。

 金正恩氏は非核化の意思を表明した。だが、これまでの国際社会を欺いてきたように、抜け道を探せば核廃棄の完璧な検証は不可能だ。実行が伴わねば米国は納得しない。トランプ氏らは「もう北朝鮮にはだまされない」と、裏切られ続けた過去の米政権の対北政策とは一線を画している。

 対米対話への急ぎぶりからは、金正恩氏がこのような米国の強硬姿勢を認識している様子もうかがえる。何よりも、金正恩氏は今回、北朝鮮には融和より圧力がより効果を発揮することを、自ら世界に示した。

 効果がある以上、日米韓首脳が言ったように、核・ミサイル問題で進展がない限り強い圧力は続く。トランプ氏がかつて明言した「軍事的な選択肢」も消えてはいない。金正恩自身それを忘れていないはずだ。

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