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■「ばってん」「とうりつ」…23種類
「日本で最も多くの言葉を聞き分けられる」というトドが6日、豊岡市瀬戸の水族館「城崎マリンワールド」で公開された。現在23種類を覚え、アシカの仲間では「類例がない」と同館。東日本大震災で移送された経緯もあり、「新天地で活躍する姿が被災者の励みにもなれば」としている。
8歳の雌「ハマ」。福島県内で飼育されていたが、震災後の平成23年6月、同館に譲渡された。
この日、ハマは飼育員の佐々木雅大さん(28)の発声にあわせて次々に技を披露。「ばってん」というと前肢を交差し、「ちんちろりん」では後肢をバタバタ。「とうりつ」には逆立ちを見せるなど、しっかり指示を聞き分けていた。
同館によると、言葉に反応して自然に「敬礼」をする姿に気づき、訓練を開始。動きと言葉を関連づけて覚えさせたところ、21種類の音声を識別できるようになり、昨年12月に東京で開かれた日本動物園水族館協会の「海獣技術者研究会」で発表した。飼育されたアシカ類がわかるのは10種類前後とされる中、驚異の語彙数と判明。その後2語が加わり、さらに新語と技を学習中という。
「ハマは覚えが早く、芸達者」と佐々木さん。とどまるところを知らない天才トドの能力は、1日5回のショーで見られる。問い合わせは同館(電)0796・28・2300。