浪速風

新聞人の使命を演じたメリル・ストリープ 機密文書報道、反対する役員らに「私はもう寝るわ」

メリル・ストリープ
メリル・ストリープ

アカデミー賞は主演女優賞に注目した。「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」で候補になったメリル・ストリープ。ベトナム戦争の不都合な真実を報道したワシントン・ポストの発行人キャサリン・グラハムの苦悩と決断を演じられるのは、彼女しかいないだろう。

▶試写を見た。今では考えられない紫煙にかすむ編集局と、刷り上がったばかりのインキのにおいがする新聞は、小欄が入社したころを思い出させた。夫の死で引き継いだポスト紙を立て直すため、株式を公開すべきか悩む女性経営者。そこにライバルのニューヨーク・タイムズがスクープを放つ。

▶ポスト紙も遅れて機密文書を入手するが、掲載すれば政府と訴訟になり、経営は危機に陥る。輪転機を回すタイムリミットが迫り、決断を下す。なおも反対する役員や顧問弁護士に、「私はもう寝るわ。おやすみなさい」。その瞬間、ひ弱な女性が硬骨の新聞人に変わった。ゾクッとする名演だった。